全国各地の漁港で獲れたての魚を、活きたまま街に運ぶ。だから、プロの料理人をもうならせる、鮮度、品質、美味しさを保つ魚介が都市のど真ん中、消費者のすぐ目の前に。中之島漁港は、まるで本物の港にいるような活気の中、産地とのつながりを感じる安心感と手頃な価格を実現した、新しい仕組みの鮮魚取引所です。 港と街を直接つなぐ、鮮魚取引所 中之島漁港という新しい水産流通の仕組みを作り上げるために、私たちはまず、産地が抱える複数の課題を解決しなければなりませんでした。中でも最大の課題は、「値決め」の問題。鮮魚の流通では、浜値が中央市場での売値より高い日があるのも珍しいことではなく、産地が直接値決めができない現状にあります。加えて手数料や物流費などの諸経費もかかるのですから、港に揚がった魚を中央市場に送るというビジネスだけでは、とても産地の経済は成り立たない。このような状況を目の当たりにして、私たちは産地が直接値決めに関われるような流通の仕組みの必要性を感じました。そこから生まれたのが、「産直活魚の都会の直売所」というアイデアです。 プロの料理人も納得の品質を保つ 現代の日本の漁獲技術は非常に優れていて、生きたまま水揚げされる魚も豊富です。しかし、港に揚がった時はどんなに立派な魚も、流通途中の扱いが悪ければ、当然ながら劣化が早くなり、せっかくのおいしさを消費者まで届けることはできません。それならば、活魚(生きた魚)のまま街まで運び、消費者の手に渡る直前に私たちが締めることができないだろうか。市場便や専用の活鮮を組み合わせることで、その仕組みを実現。近海のみならず、遠距離の漁港からも、安定して高い品質の魚を提供することができるようになりました。 場の活用と賑わいの創出を付加価値に 大阪市内の中心にほど近い立地に大きな生簀が鎮座する鮮魚取引所。2015年2月にオープンしたこの「中之島漁港」の運営を通じて、品質・鮮度の高い魚介、背景がしっかりわかる食材のニーズが、飲食業界のプロのみならず、一般のお客様にも非常に強くあることを実感しています。また一方で、「水都大阪」の新しいシンボルのひとつとして注目される中之島エリアを有効に活用し、賑わいを創出するという付加価値も大切に高めていきたいと考えています。プロジェクト始動当初最大の課題であった、魚価と生産者所得の適正化が進み、なおかつ安心安全志向・高品質志向の現代の消費者ニーズも満たせるように、これからもしっかりと、みなさまの期待に応えてまいります。